ソレヨリノ前奏詩 [感想1]

ソレヨリノ前奏詩(プロローグ) 豪華版 [アダルト]

ネタバレあり

都築 はるか√を攻略

前評判で面倒な展開が多いと聞いていたので、それなりに覚悟していたのですが、そこまで面倒でもなかった。

と言いますか、主人公、ヒロイン共に救われている結末ですし、展開も在り来りではありますが、それ故に安定していてそこそこ面白かった。

他のヒロインは分かりませんが、少なくともはるかは元々素直で可愛い女の子だったという設定もあり、だいたいの場面において可愛いです。

ただ、可愛いのは可愛いのですが、シナリオがあまりにプレイヤーに優しい為、先の展開をかなり読めてしまう。

その為、主人公が教室で振られる場面（こいつまた）で、はるかが突如として情緒不安定でちょっとあれなヒロインになってしまうのですが、演出は凄く狂気やら恐怖やらを出そうとしていても、はるかに隠している本性があるのは分かっているので、全くプレイヤー側に動揺が伝わって来ない。

また、振られる可能性は大いに考えられたので意外性も感じられなかった。主人公のテンパリ具合から見るに、急展開を演出したかったと思うのですが、動揺しているのは主人公だけです。

むしろ、その後に主人公が怒りを覚える方に理解が及ばない。

プレイヤーは、はるかは心の奥に恐怖を隠している事を、主人公から聞かされるのに、主人公は何故かその事に深く追求せず、自身の突発的な感情を優先する。

一見普通に思うかも知れないが、この主人公は相手の表面的な言葉などより、エンパシー能力に頼っていた為、この場面だけ前者を優先する理由がない。その場の勢いも勿論あるだろう。しかし時間を経てなお怒りを覚えている理由は何なのか。

ただ、この主人公はかなりの阿呆なので、ちょっと意味の分からない行動をとっても仕方ない節はある。彼の周囲で起こる面倒事は相手に起因しているとはいえ、助長しているのは明らかに主人公と言える場面が多々あるからだ。

とは言え、それ以外にシナリオの不満点はない。最初にも書いたが、主人公とヒロインが互いに救いを与える展開はかなり良かったと思う。（展開が読めるので、起伏のない平坦なシナリオと思う人もいるとは思うが）

シナリオ以外には文句の付けようがない作品で、演出やグラフィック以外にも、声や音にもこだわりを感じ、えっちしーんもかなりよく出来ている。

更には、シーン回想もかなり細かく分割されていて、ユーザーの事を考えた作りになっていて非常に好感が持てると思う。

まだメインヒロイン、サブヒロインが残っているので何とも言えないところではあるが、はるかルートに関しては攻略後に感じた、面白かったなという感想に間違いはないと思った。

このルートが最も面白かった等というオチはないとは思うが、他の二人は面倒そうで少し尻込みするところではある。